1960年代にスタートした大阪の誇る野外ロックイベント。それが、88ロックディです。80年代には姿を消していたこのイベントの空気感を再現したくて、新旧、6バンドにより開催されました。
まずトップバッターは、この春まで高校生だった3ピースのガールズバンドPura2。骨太ロックあり、センチなラブソングありのまさにロックを感じさせる恐るべき10代です。長田元春はクラプトンよろしくストラトを操り、その音でフレーズで観客を魅了する。ベースが時間に間に合わないアクシデントもリカバリーする余裕をみせるメンバーに、おのずとテンションも上がってくる。そして、現代R&B、ソウルテイストのOrient-Vesperは、男女の2ヴォーカルにピアノ&カホンとシンプルな編成ながら、秀逸な楽曲アレンジで独特な世界観に引きずりこんでいく。フロアに流れる腰にくるユレユレビートとエロティックなヴォーカルが絶妙なハーモニーを創り出していた。
さて、現役で88に出演していたバンドの中でも、伝説として語り継がれる、だるま食堂にバトンが渡る。当時、来日バンドのサポートにも指名されていた、だるま食堂はハードでプログレで正統派だが、クラッシックの要素も含まれた、ギターがメロディメーカーとなるバンドだ。続く激突モモンガは、当時の88でも最優秀賞を勝ち取った実力派。メンバーも40年ぶりの演奏との事だが、当時を越えた、渋さと、哀愁漂う、染みる演奏と唄を聞かせる、このバンドの40年は多分、今演奏するに必要な時間だったのかもしれない。
トリは、関西の大人バンドシーンでもっとも活動が活発なバンド、泉州たまねぎファイターズだ、30年変わらないオリジナルメンバー、綴られる楽曲はその時代をきりとり彩る。全てのバンドマンに触れてほしいバンドが泉たまだと心から言える、真のバンドのあるべき姿、これぞバンド冥利につきるバンドマンスタイルだ。
今回、出演の各バンドとも長い年月を音楽と歩んできた人達がラインナップされ見応え、聞き応え満載のイベントとなり、終了後の打ち上げでは、さながら親子バンド談義に華が咲いていた。毎年恒例になるであろう88ロックディ。次なる出演者に今から胸が高鳴る。
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