男は大学2回生、顔はイケメン、身長は178cm サラリとした髪の毛で、少しパーマをあてている。性格は優しく、おっとりしている。
普段は大学生の男は、夜はバーでバーテンダーをしており、俗に言うイケメン男子である。
しかし、一つだけ、不運な部分がある。
これはその不運な事についてのお話。
中学生だった男はバスケットボール部に所属しており、部活を終えいつものように帰宅した。家はマンションで彼はその7階に住んでいた。いつものようにエレベーターに乗り7階のボタンを押し、上っていると、うなじに妙な感触が走った、
彼は反射的にうなじにいる“何か”を叩いた。
「グジャッ」っと音がなり、その何かは動きを止めた。
そう、お察しのとおりそれはゴキブリだったのだ。
男はあまり動揺せずに、首にへばりつく残骸をデコピンで飛ばして
家に帰ってシャワーを浴びた。
ある日の大学生終わり、彼に気のある女の子(藤原美穂21才)が「ねーねー、いけちゃん!この首のあざ何なん??」
っと聞いた。
彼の名前は池田春希、みなにいけちゃん呼ばれている。
池田は「昔ゴキブリ潰した時にできた痣。」
と無機質に返事をした。
藤原は普通に引いてた。
男は不運にも首のゴキブリの痣のせいで、女性にたまに引かれている。
ゴキブリの痣だと聞いて、痣をみるとさらに潰れたゴキブリに見えてくるからだ。
それが男の不運だった。
大学の帰り道、池田はぼーっと自分の首の痣について考えていた。
池田は本当に仲の良い友達は少ない、っていうか友達って何?といつも考えてしまうから。池田の事を友達だと思っている人は多いのだが、池田からはその人達のことを友達だとは思っていないことが多い。
池田自身、首の後ろにある痣は一つの指標だと思っている、首の痣を見た女子の3分の2は何故だかそれ以降話しかけてこなくなる。男友達は別に関係ないけど、リアクションが普通で特に記憶にない。
今までで一番ハッとしたリアクションは総理という男がいった「この現象を学会誌に投稿しよう!これはすごい現象!このゴキブリはまだ生きているー!!!!!!」という発言だった。
彼の中ではゴキブリは首に生きてるらしい、それを粒子がどうこうと言っていたがあまり覚えてないが、力説していたことは覚えている。あいつは頭がいいのかバカなのかわからない。
だがその後、総理とは仲が良い方だ。
最近よく思うのが
この首の痣に対するリアクションで、人をタイプ分けできることだ。痣を見た人のリアクションを見るたび心の中で「あ〜こいつはこのタイプね」っといつも決めている、それはむしろその人を決めつけているから不幸かもしれない。けど、恐ろしく便利なのだ。人間センサーみたいな感じで。
「まぁ、いっか。」
そう言ってまたエレベーターに男は乗って行った。
光に当たった首の痣が妙に動いていることを池田は気付いていない。
映画はまだ流れ続けている
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