スポーツ&ミュージック&カルチャーを応援するイベントPUB、FootRock&BEERS

連載コラム

その8 ハンバーグといっしょ


「三大欲求」について初めて考えたのは総理が14歳のころであった。

まず睡眠欲、これは分かる。眠くなるからね。寝たら気持ちいいしね

食欲、これも分かる、お腹が減るからね。

性欲これが分からん。その頃の総理はセックスという現象は知っていたが、した事がないので分からなかったのだ。

総理が15歳になった頃、性欲の意味を
マカロニ公爵婦人という女性が教えてくれた。

事が終わって、マカロニ公爵婦人はベットで寝ていて、隣で総理は「なるほど、なるほど。」と性欲についての貴重な体験を得て、いろんな事を考えていた。
マカロニ公爵婦人と自分は確かにチョメった(15歳の時の総理のセックスに対する言い方)。
しかしもう、その快感はここにはもう無いのだ。
2時間前にはあったけど、今にはもう無いのだ。
それは、一昨日食べたハンバーグの味を思い出せないのと同じ様だ

なるほど、これが性欲か、
なんと切なく寂しいものなのだろう。もし、マカロニ公爵婦人がいなくなったら、俺はもう二度と、マカロニ公爵婦人の味を食べることはできないのだ。
食欲であるご飯なら、お金を払えば味わえるかもしれないけど、人は違うのだ。
そして、マカロニ公爵婦人からすれば俺は昔食べたハンバーグと同じになるのだ。食べた記憶はあるけど、もう思い出せない味になってしまうのだ。
総理は考え出すとすごく寂しくなった。
じゃあどうすればいいのだ、寂しくならないためにはどうすればいいのだ。
総理はとっさに寝ているマカロニ公爵婦人の肩を揺らした。「起きて!!」っと。
マカロニ公爵婦人は眠そうに総理の方を見た。
総理はマカロニ公爵婦人に「心でチョメろう!」と言った。
マカロニ公爵婦人は意味が分からず、「どういうこと?」と返した
総理は「体のチョメはハンバーグと同じだけど、心のチョメはいつだって味わえるんだ!」と言った。
この頃から総理は説明文をぶっとばして本質に踏み込む、いわば途中式を書かず答えだけ書く生徒のような傾向があったことは間違いない。
マカロニ公爵婦人は戸惑いながら「心のチョメはどうするの?」っと聞いた
総理は「俺の思想とあなたの思想を交わし合わしたらええねん!!」っと言った。
そして「たとえ二度とあなたに会えなくても、俺の思想はあなたに残る、そしてあなたと私の思想がぶつかり合い、二人でしか生み出せ無いものがあるとすれば、それはまさにオーガズムや!」と続けた。

総理はそこですでに一つの思想体系を考えていた。
性欲のある二人の人間が「体」でチョメった場合、二人で何かを作ることができる。気持ちよさでも快楽でも何でもいい。その代わり、その場限りで何も続かない、あの日のハンバーグと同じなのだ。思い出だけになるのだ。
だけれども二人の人間が「心」でチョメった場合、二人はAという思想とBという思想を足したC(A+B)という思想を持てると総理は考えたのだ。そうすれ ば、あの日のハンバーグとは違い、いつでも思い出すことができるし、それを使って気持ちを高めたりできる。永久に不滅なのだ。しかも、それはその二人でし か生み出せない子供のようなものなのだ。

これを総理は「心でチョメる」と名付けたのだ。

マカロニ公爵婦人は頭のいい人だったので、その総理の言葉を理解し、10秒くらい考えて総理に「そんなこと考えた事なかったわ。」と言った。
数分経つと、総理が起こしたせいか、マカロニ公爵婦人は服を着だして、そのままチェックアウトする雰囲気だった。まだ朝早いというのに。
総理は一人で眉間にシワを寄せて、自分の放った言葉に穴がないかチェックしていた。20分くらい経ったであろうか、気がつけば、マカロニ公爵婦人が準備できている雰囲気を醸し出している事に気付いた。
さっと服を着て、髪を濡らして寝癖を直し、自分も行く準備ができたと目で訴えた。
そうすると
マカロニ公爵婦人は「よいっしょっ」と言って、鞄を持ち上げた。化粧もバッチリの外向きのマカロニ公爵婦人になっていた。

そして、ドアを開く前に
総理の目を見つめて優しくこう尋ねた。
「あなたの将来の夢は何?」

総理は答えた。
「思想家になる。」っと。

マカロニ公爵婦人は優しく微笑んで
「向いてると思うよ。」っと優しい声で言った。

二人はヘアを出てホテルを出た。
時刻は朝5時48分 燃えるような朝焼けが綺麗だった。

二人はもう会うことは無かった

大切なのは「心でチョメる」こと。
あの日のハンバーグにしないこと。

映画はまだ流れ続けている

映画はまだ流れ続けている

page top